番所:東京−浅草

Bansyo: Asakusa, Tokyo


 引き戸をがらがらっとあけると右側にカウンター.ちょっと薄暗いカウンターの奥にママが座っていた.天井や壁には古いポスターや駄菓子屋で売っていそうな雑貨が張ってある.奥はテーブル席と,格子引き戸で仕切られた六畳間.ここにも古びた柱時計や火消し半纏,天井には所狭しと千社札が張ってある.

 女の子が喜びそうな店だが,吟醸酒はなかなかおいしいものが置いてあった.ママ手作りのおでんと煮物をつつきながら,名前は忘れたが,3種類,グラスで5,6杯飲んで五千円は安かった.

 乙姫のすぐ近く,千束通りを国際通り側から少 し入った猿之助横町にある.


 この夏のくそ暑い夜から逃れるために,ふたたたび格子戸を開けたのだった.
 カウンターの隣に座っていた,船乗りのおじさんと長話になり,酒もぐいぐいいけた.この店に来るとなぜか,飲んだ酒の種類を忘れてしまうのだが,今回は「〆張鶴」ともう一種類.グラスで4杯.
 気がつくと,突き出し以外の食べ物は頼んでいなかった.これでは「泥鰌庵閑 話」ではないかっ.(生命保険入って良かった,かな)

 下町は乙姫といい,おくらといい,いい店があるなあとしみじみ思うのであっ た.

今回は 2,500 円くらいだった.